大宮中央高校校歌・パワーコーラスアレンジ

 

アレンジノート:

 

大宮中央高校での芸術鑑賞会にあたって、校歌をゴスペルアレンジして歌ってくれないかという、大変興味深いご依頼をいただいた。

 

資料として先生方に通常の校歌を歌ってお聴かせいただいたところ、メロディーの終了音が主音じゃなく、これはなんとも造りが変わってる。原曲の楽譜を見せていただくと、4声の合唱譜面だった。しかも変拍子がいたるところに入っていて、校歌としては非常に珍しいものではないか。

 

ただ、和声理論としても作品としても模範的に整ってできている。 作曲者名を見るとなんと、石桁真礼生氏という大御所(故人)。僕らの世代の音大生には「黄色い楽典」と呼ばれた必修本の著者で、日本のクラシック界では知られた方だった。僕も「楽式論」という本を一冊、押入れの奥に持っている。

が、残念ながら合唱曲なので、普通科、しかも通信制の学校現場では完成形が歌われる機会があまりないだろうと思われるのと、造りとしてテナーがメロディーを締めくくっていて、それに他のパートがハモる形になっているため、皆でユニゾンで歌うときにソプラノを歌うと曲が終わらない形になる。

 

校歌としての実用性との兼ね合いが、この時代にどう考えられていたのか、また、石桁先生の中でどのようであったのかわからないが、なにせ合唱曲としてはなかなかにいい曲でもったいないので、まずは原曲通りをサンプル録音。その後、ゴスペル風、というご期待に沿っていじってゆく。

 

もちろん歌詞が宗教曲ではないからゴスペル曲歌はできない。ゴスペルのスタイルを持った非宗教音楽、すなわちパワーコーラス化ということになる。 アレンジのルールはもちろん、美しく言葉と絡んだメロディーを極力変えないことだ。歌詞の単語や作りは昭和中期の校歌の典型とも言えるものだろうが、不思議と軽やかな曲調にしてゆく中でしっくりとハマって、繰り返したいものになってゆく。

 

変拍子の多い構造と、ソウルなビート感との折り合いをつけるためにどうしても、AメロとBメロの間の空間を2拍だけ伸ばさせてもらった。また、最終音に着地感を出すために二拍だけ長く伸ばした。

 

DUCで「青春」なんて単語を歌ったことがないと思うが、意外とコマーシャルソングにでも使っていただけそうな爽やかな作りに仕上がった。繰り返し歌うほどに、まるで自分が大宮中央高校の卒業生のような気分になってくる。 大御所の作品の貫禄を残しつつ、今日に新たな姿をまとって、という結果を狙ったが、生徒など、ご関係の方々に口ずさんでいただけたら幸いだ。

 

ちなみに、ハモネプでアレンジを聴いていただいてのご依頼かと思ったら、ご依頼主の先生方はハモネプをご存知ではなかった。


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