イバラの道が唯一の道だった:上田公演に寄せて
2017.5.30
Director・タローです。
6月7日、8日は、上田市の4つの高校の合同芸術鑑賞会。
市内中の数千人の高校生たちに、芸術教育として選ばれて行きます。
我らがパーカッションの佐藤由も、レジェンド、オルケスタ・デ・ラ・ルスのメンバーとして時折やっている仕事ですが、本当に誇りの持てる、そして責任のある仕事です。
僕らにとって最も嬉しいことは、先方の要請により、大部分、オリジナル曲を演奏させていただくことです。
僕らのようなクワイアーは通常、こういう機会にはゴスペルをやってくれと言われるものです。
もちろん、ゴスペルナンバーもありますし、その歴史や性質についても、他のどんな団体よりも正確にお話させていただきます。
しかし、このような大規模な企画でオリジナルをやってくれと言われることが、僕らにとってどれほど素晴らしい出来事なのか、説明しきれません。
日本のゴスペル市場は、宗教と離れてゴスペルを名乗ろうとするがゆえに、オリジナルが評価されることがありません。
聖書内容と関係ないオリジナル曲をゴスペルと呼べば、クリスチャンたちとしては当然是正をお願いしなくてはいけませんし、聖書内容に基づいたオリジナルならば、それをクリスチャンでない人々が100人集まって高らかに歌っても、実際に信仰を持ったクリスチャンたちが歌うアートの市場に出せるような代物になるはずもありません。
「ゴスペルグループではありません」と訴え続けることは、DUCにとってイバラの道でしたが、それでもそれがたった一つの道でした。
ゴスペルグループだと言って仕事を取ったりお客様を集めたりする、そういう他の道は、楽だったかもしれませんが、今日この日へは続いていなかったのです。
ゴスペル「も」歌います。それ以外も歌います。僕らの音楽ジャンルはパワーコーラスと言います。黒人奴隷たちの時代から培われた、人が生き抜くために歌うという力を継ぎ、いつか、全ての宗教の人や宗教を持たない人たちとも共に歌えることを夢見るコーラス音楽です。
上田市の高校生のみなさんにお届けしてきます。