奇跡は毎日起こる [Expect Your Miracle]

I’m looking for a miracle / 私は奇跡を楽しみにしている。


この曲は、「奇跡」と「信仰」というものについての一つの誤解を痛快に解いてくれる。

 

「この世界を作り出した全能の創造主は、まだ人間を愛してくれている。」
それこそがキリストという存在がもたらした「良いニュース(Good news = Gospel/福音)」である、というのがキリスト教の教義だ。

 

それが真実なら、神は私にいいことが起こることを当然望んでくれているし、必ずいいことを持ってきてくれる。そう信じることこそが「信仰」となる。

 

仰とはイスのようなものだ、と知性ある牧師たちは語る。「その頑丈さを信じていればだまって座れるはずだ。信じていると口だけで言っても、じゃあ座ってみろ、と言われた時にすんなり座れないのであれば信仰とは呼ばない。」

 

「私はなんの信仰も持っていない」という人々のほとんどは、科学かお金を信じている。因果応報や死後の天国なんて科学的ではないといって深夜の山中に夜な夜なゴミを捨てられる人もいる。お金さえあれば全てがうまくいくと信じる人もいる。

 

でも残念ながら「目に見えるものを信じる」ことによる強さには限界がある。目に見えるものはある日姿を変えたり消え去ったりするからだ。触れないもの(intangeble)、目に見えないもの(invisible)を信じるからこそ人は強くなれるし、その強さは、全てが失われた時にも残る。

 

惨な人生を強いられ、社会から踏みつけられ、何一つ持たされず、目に見えるものは一つも頼りにできなかったアメリカの黒人社会が必要とした信仰こそ、ただひたすら「もう1日生きる強さをくれる」ものだった。

 

苦境にしか見えない人生の中で高らかにこのメッセージを歌いつぐ人々によって、奇跡というものについての誤解がはれて解けてゆく。

 

「奇跡とは、強く願ったり、正しい方法や正しい場所で願ったりすることによって起こるものではない。それは毎日起こるものだ。なぜなら自分は全能の存在から愛されているし、その存在はひとときも自分を見放したりはしない。だから、それを受け取れるかどうかは、そのことを信じるかどうかの差に過ぎない。」

 

Just believe and receive it, God will perform it today.
ただ信じて受け取ればいい。神は今日、動いてくれる。


ドリーマーズ・ユニオン・クワイアー

Copyright 2019 Dreamers Union Choir. All Rights Reserved.