Voiceful Nation ご報告
2022.5.21
Voiceful Nationは、「失われた声を探す旅」でした。
相撲甚句の大至氏(元関取、前頭3枚目)をお招きし、日本人がどうして声を失ったのか、どのようにそれを取り戻すのか、を皆様とともに考える時間でした。
「歌う理由を歌う歌」を主な演目とし、また、「流浪の民(R.シューマン)」 など、よく知られた合唱曲を「DUCの声」でお届けしました。
日本の私たちがゴスペルミュージックに憧れた理由はその宗教的側面ではなく、必ずしも音楽家ではない人々が生活の中で自分が信じたい言葉や伝えたいことを「自分の声」で歌う側面です。
ですから、あのパワーを私たちが手にするためにはそもそも、「私たちの声」で歌う必要があるのです。しかし、日本の学校教育での音楽はそれをむしろ子供達から奪ってきました。本来、私たちの生活の中にあった歌声はもうそこにはなく、今私たちが自分たちの文化の元々の声を探すには、文化人類学者たちがするように、それが残されたフィールドから探さなくてはならないのです。
今回、大至関にお付き合いいただいたのはそのような理由からでした。
DUCの音楽は完全に新しい独立したアートではありません。黒人霊歌からゴスペルへの流れを汲み、そのサウンドをもって、日本の私たちの記憶に眠る声の衝動を揺さぶり起こす、新時代の伝統音楽であると考えています。
ご来場いただき、この体験を共有してくださった皆様に、心より感謝いたします。
ありがとうございました。
動画など、追って発表して参りますので、YouTubeなど、DUCの各SNSチャンネルをフォローください。
2022年5月 木島タロー (Director)