黒人霊歌:歌が担った、絶望を生き抜くための機能
2015.9.29
奴隷として生きることを強いられたアメリカの黒人たちが、その絶望を生きぬくために歌い続けた、書き手もわからならい歌の数々です。
人が人を所有物として扱い、子供達は小さな頃から、お前は価値が低い生き物だから奴隷として生きるのだと教え込まれる。奴隷の人生の凄惨さは、多くの資料が語ってくれます。
悲しみや苦しみの中で人々がともに歌う、という文化そのものは、黒人たちがアフリカから持ち込みました。彼らがキリスト教に出会う以前のお話しです。やがて、ゴスペルや、ブルースや、ファンクやジャズや、すべてのアメリカの黒人音楽へと進化することになる、ビッグバン前の宇宙のような存在が、この黒人霊歌です。
趣味でも、娯楽でもない。歌わなければ生きて行けない者達が高らかにコーラスする、それが、僕らがゴスペルに感じた魅力の正体です。
DUCが演目の中に黒人霊歌を取り込むのは、それが「生きるために必要であった歌」そのものだからです。
10/24 Sing To Survive さいたま芸術劇場
チケットご予約 http://powerchorus.theshop.jp/