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音符に書けないもの

2018.1.9


もう何年も前、Sounds Of Blackness のディレクター、ゲイリー・ハインズ氏がDUCのワークショップのために日本に来てくれた時に、DUCのメンバーが質問したことがある。

「ソウルミュージックを日本人が歌うことに抵抗はありませんか?」

質問した当人は、自分のような日本人が黒人の音楽であるソウルを歌うということに何か劣等感があったのかもしれない。

 

ゲイリーさんの返事は、こうだった。

「日本人にもソウルミュージックがあるだろう? 和太鼓なんかがそうだと思うが。でも君が言っているのはそういうことじゃないね。わかるよ。黒人のソウルミュージックのことだね。」

少し笑いながら、ゲイリーさんは続けた。

 

「私は、自分の母がどんな風に歌ったか覚えている。」

そこで彼は「ウーン」という低い声で唸って聞かせてくれた。深くて響のある、下からにじり上がってくる声だ。

「その音には、黒人としての彼女の苦しみがある。そういう音を私たちは、(頭を指差して)ブレインじゃなくて、(心臓を指差して)ソウルで覚え、感じたんだ。それがソウルミュージック。つまり、私たちが代々受け継いでいる音なんだよ。」

 

二人の会話を通訳しながら、僕はここまでにすでに深く感じ入っている。質問の核心に迫るために彼は続けた。

 

「その”音”を学ぶことで、君たちも私たちの歴史を脳で学ぶだけでなくて、ソウルで感じてくれるだろう。そのサウンドが、知識だけじゃなくて感情を運んでくれるんだ。だから、ただの文字じゃなくて、歌うことによってそのサウンドで私たちの歴史を感じてくれることは嬉しいと思っているよ。」

Sounds Of Blackness のチーム名の意味が、心にしみる。

この音楽を学ぶ僕らは、楽譜に書ける何かではなく、音符と音符の間に生まれる「サウンド」をこそ学ばなくてはいけない。

僕らの新しい学びのシーズンが始まる。

年始の礼拝で教会のシンガーたちに、なんでもいいから、親や家族から受け継いだ歌を歌ってくれ、とお願いし、カメラの前で数曲歌ってもらった。

音符と英単語の向こうがわ、その「サウンド」を僕らは学べるだろうか。

 

 


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